iGageで見る年末年始のアプリゲームプレイ状況無料ガチャを行った『ウマ娘』とタレントを起用した『ツムツム』

株式会社ゲームエイジ総研のプレスリリース

例年、年末年始は様々なモバイルゲームでゲーム内外のイベントが行われ、それによって、多くのアプリゲームはアクティブユーザー数が増加します。今回はその中でも、この年末年始にアクティブユーザー数を大きく増加させた『ウマ娘 プリティーダービー』と 『LINE:ディズニーツムツム』の2タイトルにフォーカスし、どのような施策が行われ、どれだけユーザー数が変動したのをiGageのデータから見てみたいと思います。

株式会社ゲームエイジ総研(代表取締役社長:光井誠一)は、国内唯一の「ゲームビジネスに特化したマーケティングリサーチ&コンサルティングファーム」として様々な分析を行っています。ゲーム市場規模をまとめた定期刊行レポートとして「Monthly Game Trend Radar(マンスリー・ゲームトレンドレーダー)」の発刊、プラットフォーム別のアクティブユーザー数や、ネットワークサービスでのゲームに関する情報取得などのデータも収集しております。また弊社が運用しているマーケティングデータサービス「iGage(アイゲージ)」では約240万名のスマートデバイスのユーザーのログを自動取得しており、動向やトレンドなども観測しております。

例年、年末年始は様々なモバイルゲームでゲーム内外のイベントが行われ、それによって、多くのアプリゲームはアクティブユーザー数が増加します。今回はその中でも、この年末年始にアクティブユーザー数を大きく増加させた『ウマ娘 プリティーダービー』と 『LINE:ディズニーツムツム』の2タイトルにフォーカスし、どのような施策が行われ、どれだけユーザー数が変動したのをiGageのデータから見てみたいと思います。

iGageの詳細はこちら:https://www.gameage.jp/igage/

■年末から年始にかけ、モバイルゲームアクティブユーザー数は180万人増加
2021年12月20日~2021年12月26日までのモバイルゲームアクティブユーザー数は3,352万人。その翌週2021年12年27日~2022年1月2日のモバイルゲームアクティブユーザー数は3,540万人と、この1週間でアクティブユーザー数が180万人以上増加しました。

この期間、数多くのアプリがアクティブユーザー数を拡大しました、その中でも大きくアクティブユーザー数を伸ばした『ウマ娘 プリティーダービー』と『LINE:ディズニーツムツム』では、いったいどのような施策が行われていたのでしょうか。

■『ウマ娘 プリティーダービー』は、テレビCM、無料ガチャを実施
『ウマ娘 プリティーダービー』は年末年始にかけて、主にテレビCMと無料ガチャの2つの施策が行われていました。

特に、12月27日~1月6日に行われた「1日1回10連ガチャ無料キャンペーン」は、無料で最大100連ガチャを引くことができるという内容で、12月26日に150万人程度であったアクティブユーザー数が、翌27日には196.6万人と大きく増加していることがわかります。また、新規キャラクターの追加や新しいイベントが開始された12月31日には、アクティブユーザー数は最大の234.8万人にまで増加しています。【グラフ①】

12月20日から吉田鋼太郎と中村倫也を起用したテレビCMを全国で放映しており、27日からはCMの内容が変わり、目玉施策である最大100連ガチャを押し出した内容となっていました。

無料ガチャの施策はSNSでも拡散され、Twitter上には連日のように無料ガチャに関する多くのツイートが投稿されていました。公式Twitterのリプライには、「10連無料ありがてー!!」「サイゲさんありがとうございます」「なんだ何かと思ったら神か。神いいいいい!!!!」など、ユーザーたちから感謝の言葉が多くみられます。

また、この施策の影響はアクティブユーザーの性/年齢構成の変化として表れました。12月27週のアクティブユーザーは20代男性を中心とした構成でしたが、12月27週に参加した【新規ユーザー】は、40代以上の男性が目立ちます。これは年末年始でテレビCMを見る機会が増えたこと、また、この世代に近い吉田鋼太郎を起用したことで、ゲームに対して親近感が湧いたことなどが理由であると考えられます。【グラフ➁】

■タレント起用でアクティブユーザー数を拡大した『LINE:ディズニーツムツム』。
1週間でゲームに復帰したユーザーは100万人以上

一方、『LINE:ディズニーツムツム』は2022年1月末に控えている8周年を記念した「華麗なる祝宴」というイベントが12月27日より行われました。同時にこの日から、若年層に人気のあるお笑い芸人EXITのりんたろー。と兼近大樹が、ツムツム好きな王子役として登場するテレビCMが1月9日まで放映されていました。CM総合研究所の調べでは、東京キー5局のCM放送回数は212回でした。

また、EXITはゲーム内ランキングにも登場、ゲーム外ではTwitterのフォロー&リツイートキャンペーンとしてEXITの「サイン入りチェキ」をプレゼントするなど、EXITの二人を前面に押し出した施策が行われています。

さらに、ゲーム内アイテムである「プレイチケット」が最大で88枚もらえるキャンペーンなどが行われており、キャンペーンが開始された12月28日にはアクティブユーザー数が急増して355万人を超え、それ以降も右肩上がりに増加。12月31日にはアクティブユーザー数が400万を突破しました。【グラフ③】

これらの施策により、12月27日~1月2日の期間に新規にゲームを始めたユーザーは28万人。しばらくプレイしていなかったが、この機会に復帰したというユーザーは105万人にも上ります。特に復帰ユーザーについては施策の効果が顕著で、12月27週のユーザーと12月27週の復帰ユーザーを比較すると、男女共に若年層のユーザーが復帰したことがわかります。EXITを起用した施策が若年層にリーチした結果といえるでしょう。【グラフ④】

両タイトルとも、年末年始に増加する余暇時間を狙った大規模なプロモーションを実施しましたが、それぞれ、獲得したいターゲット層に合わせ、異なったベクトルでアプローチをしたことがわかります。

人気シニア俳優の起用と無料ガチャを中心とした施策で、比較的高年齢層の新規ゲームプレイヤーを拡大した『ウマ娘 プリティーダービー』。そして若年層に人気の有名タレントを使ったCMで、休眠ユーザーの復帰を促進した『LINE:ディズニーツムツム』と、対照的な2タイトルでしたが、それぞれの戦略がうまく作用し、両者ともアクティブユーザー増を大きく拡大したことがわかりました。

アプリゲームでは、獲得すべきユーザーをデモグラ構成やプレイヤー属性から仮説をたて絞り込み、効果的なプロモーション戦略を実施することが重要になりますが、今回取り上げたこの2タイトルも、ターゲティングと施策がうまくマッチした成功事例と言えるでしょう。

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