人気ゲーム3タイトルの複数アカウントを調査_1人あたりのアカウント数は、多いもので1.66アカウント

株式会社ゲームエイジ総研のプレスリリース

原則として制限されていることが多い「複数アカウントによるゲームプレイ」(以下、複アカウントと記載)ですが、ゲーム内チャットなどで複アカウントのプレイに関する会話に出くわすことがあります。そこで、実際にはどれくらいの人が複アカウントでプレイしているかを調べてみました。

株式会社ゲームエイジ総研(代表取締役社長:光井誠一)は、国内唯一の「ゲームビジネスに特化したマーケティングリサーチ&コンサルティングファーム」として様々な分析を行って参りました。弊社が運用しているマーケティングデータサービス「iGage(アイゲージ)」では240万人のスマートデバイスのユーザーのログを自動取得しており、動向やトレンドなども観測しております。原則として制限されていることが多い「複数アカウントによるゲームプレイ」(以下、複アカウントと記載)ですが、ゲーム内チャットなどで複アカウントのプレイに関する会話に出くわすことがあります。そこで、実際にはどれくらいの人が複アカウントでプレイしているかを調べてみました。   iGageの詳細はこちら ⇒ https://www.gameage.jp/igage/

■ 3タイトル全てで複アカウントユーザーが存在
複アカウントを利用したプレイ状況を見てみると、『モンスターストライク』をアカウント1つでプレイしているユーザーは52.4%。また38.2%が2つのアカウント、9.4%は3つ以上のアカウントを使ってプレイしていると回答しており、1人あたりが利用しているアカウントの平均値は1.66となります。『モンスターストライク』は複アカウント運用とマルチプレイのメリットが結びつくことが要因となり、他タイトルに比べて顕著であることが考えられます。

『実況パワフルプロ野球』と『ウマ娘 プリティダービー』は7割以上のユーザーが1つのアカウントでプレイしており、複アカウントは3割未満となっています。これはフレンドポイントの融通の他には複数のアカウントを持つメリットが少なく、デッキや育成のやり方を変えてプレイするというような“コア”な使い方をしている層が複アカウントユーザーであることが考えられます。【グラフ①】

次に、上記の「1人あたりのアカウント平均」を使い算出したのが、【グラフ➁】のアクティブユーザー数です。
運営会社の指標であるマンスリーアクティブユーザーはこの考えに近い数字であることが考えられます。

複アカウントを使ってプレイをするのは、複数の端末を使ったりアカウントを切り替えたりするなど、通常のプレイよりも手間がかかってしまいます。にもかかわらず、このような面倒な事を行っている複アカウントユーザーはメインアカウントとは異なる何らかの目的を持って作成/運用されているということが考えられます。そこで、次にユーザーはどういった目的で複アカウントを作っているのかを聞いてみました。

※以下のアクティブユーザーについて、iGageはキャリアアカウントをベースとしたログ情報をカウントしており、SIM抜き端末や海外からのアクセスに関しては対象としていません。
※また、本分析の対象者は15~79歳であり、それ以外のユーザー数をカウント対象としていません。

■複アカウントを作成した目的はゲームの仕様によって違っている
複アカウントを作成した理由として『モンスターストライク』『実況パワフルプロ野球』では「ガチャなどの回数を増やしたい」と考えるユーザーが多く、『実況パワフルプロ野球』では59%と半数を超えています。
 

 

その他、『モンスターストライク』は「キャラやデッキを増やす」「マルチプレイを有利に進める」ことも、2割以上が複アカウント作成の理由であると回答しています。

また、『実況パワフルプロ野球』は「消費アイテムを効率よく集めるため」という理由も約半数という結果でした。

一方、『ウマ娘 プリティダービー』はこの2タイトルとは違った理由で複アカウントを作成している傾向が見られました。フレンドポイント/サークルポイント/レンタルシステムの活用を反映した「サブアカウントに他プレイヤーの役割を担わせる」「所属/主催しているグループの維持」という理由に回答が集まっています。【表①】

約款で禁じられていることも多い複アカウント問題なのですが、プレイヤーは様々な理由で複アカウントプレイを行っているようです。ユーザーのプレイタイトルに対する熱量やロイヤリティが窺えた結果が見られました。

一方で、運営側から考えると、ゲームバランスを崩す、収益機会の損失を招くなどのデメリットがあるのも紛れもない事実です。

【グラフ➁】で見られたように、トータルのアカウント数とユーザー数は、規模が大きいほどその差分も大きくなるため、例えば1ユーザーあたりの課金額なども実態とは乖離する可能性が考えられます。また、広告やイベントの効果、1人あたりのプレイ時間などを見誤る可能性も考えられます。

そのため、総アカウント数と同じく、複アカウントではない「ユーザー数」をどちらも把握しつつ、ユーザーに適したマーケティング施策を考えていくことも必要ではないでしょうか。

今後も、弊社ではこの複アカウント状況調査の対象タイトルを増やし、より一状況把握に努めたいと考えています。

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