SSFF & ASIAオンラインクロージングセミナー NFT×映画 feat. The Rhetoric Starに映画祭代表 別所哲也が登壇 WEB3.0時代の映画は「見る」から「参加する」へ

株式会社パシフィックボイスのプレスリリース

米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭、ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)は、「Meta Cinema]をテーマに開始した今年の映画祭アワードセレモニーで、NFT×映画を体現しようとするプロジェクトとして、暗号資産を題材にクリプト業界の「欲」「闇」そして「希望」を描く100分の実写映画『The Rhetoric Star』について紹介しました。
7月26日に行われた映画祭オンラインクロージングセミナーでは、映画祭代表の別所哲也と、『The Rhetoric Star』製作チームより、国際映画製作チームのNOMA(ノマ)所属でEDLEAD代表の映画監督 太一氏、仮想通貨に関する国内外のニュースを投資家向けに配信するオンラインメディア「CoinPost」を運営する株式会社CoinPostの代表取締役 各務貴仁氏が登壇し、Web3.0時代の新しい映画製作方法、NFTで変わる映画製作の姿、クリエイターがどのようにNFTを活用していけるのかを、海外事例も含めてディスカッションしました。

冒頭、映画祭や各者の紹介に続き、現在進行中の映画『The Rhetoric Star』のプロジェクトについて紹介が行われました。太一監督は「(本作は)クリプト=暗号通貨、暗号資産から始まる物語で、華やかなイメージや逆に訝しいイメージを持たれがちな世界ですが、真実の姿を社会派サスペンスとして描き上げます」と作品のティザー映像と共に説明。
各務氏は、国内一の暗号資産系メディアとして、暗号資産テーマというだけでなく新しい製作方法に挑戦していく点やマーケティングサイドに協力していると立場を説明しました。
カンヌ国際映画祭でも発表された本プロジェクトには、「ハリー・ポッター」シリーズや「E.T.」のサウンドトラック制作チームが参加することが決定しているとのニュースも発表されました。

映画製作の現況
現在の映画製作の状況について、各務氏は「ウェブメディアのビジネスはメディア形態の中でも消費が一番早く資金規模としても軽い。対して、映画製作は製作過程から費用感が非常に重いイメージがあった。重たいほどビジネス側に寄ってしまい、利益を出す必要にとらわれる」とし、「製作過程を、最初の資金調達の段階からファンと一緒に行っていくことで軽いものにすると、より多くのクリエイターに光を当てていくことができる。そこをメディアとしてサポートしていきたい」と述べました。

太一監督は、「映画誕生から(たった)127年だが、それにしては老けすぎている。業界のサイズだけ大きくなっているイメージ。視聴方法は進化しているが、では製作方法は?事業としての映画制作のプロセスの進化は止まってしまっているのではないか。そこを再稼働させようとしている」と述べました。

別所は、「アメリカでは、こういうレンズがない、となればでは作ってしまおうというフットワークの軽さ、ダイナミズムが映画界にある。」とした上で、「日本は製作委員会方式という、20世紀型映画ビジネスを組み立ててきた。では21世紀初頭の今、どう変革できるのか」と述べ、NFTをがどのように活用できるのか、次なるトピックに話を繋げました。

NFTの4つの特徴
各務氏はNFTの4つの特徴として
●「固有性:他のデジタルデータと判別可能になること」
●「取引可能性:所有者が明確になり暗号資産でグローバルな取引が可能になること」
●「相互運用性:様々なサービスを跨ぐdコンテンツ利用を可能にすること」
●「プログラマビリティ:スマコン活用で自動ルール設定可能にすること」
を挙げました。

さらに、「相互運用性」については、「「制作に加わりたい」とする人々について、これまでは会員運営会社でないとわからなかった情報が、NFTの場合はオープンになっている。」とし、「映画製作に出資をしたコミュニティ:映画に対してかなり興味を持っているコミュニティ」には大きな価値があり、次につながるサービス、他のサービスがそのコミュニティに対してアプローチをしていけることになると例を紹介しました。

また、「プログラマビリティ」については、「何人以上が賛成したら可決する、といった独自のルールに則ったコミュニティ運営ができる、グローバルで仲間が募れる」点がこれまでにはなかった革新性と紹介しました。

太一監督は「これまでは映画のプロセスを言語化する慣習がなく、日本は明確に言葉で語らない文化で、察し合いながら映画を作ってきた市場であった」と述べました。しかしながら、「(各務さんのような)こういう世代が出てきて、NFTを活用するようになっていくと、架空の話をせずに検証を重ねて最適化するという一つの答えに達することができる」と説明しました。
 

クラウドファンディングとNFTの違い
別所からクラウドファンディングとNFTの相違点が聞かれると各務氏は、「クラウドファンディングは個人と映画が点の接点。返礼品をもらう、未来のこれから作られる物を購入する点でのコミュニケーションであるのに対し、NFTは線で接することになる。半匿名で支援者というコミュニティに属する。常に固有性を持っていられる。一緒に映画を作っていく、問題や課題に対して個人が参加し、運営側はダイレクトに継続的にメリットを与えていく運営変化を起こせる。」と説明しました。
太一監督は「映画はこれまで、著作物、商品として取引されてきたが、NFTは映画というものを細分化し、解像度を上げていくことで、関わっている150名の一人一人が担当する一つ一つのプロセスを価値化、エコノミー化していくことを可能にする。」と語り、映画は「NFT化された巨大な価値の集合体」であるとの世界観を伝えました。

さらに、「アニメーターが線を一本引いたものをNFT化すると、本人に紐づけて価値化することができる」という太一監督の例に続き、各務氏は「アニメーションを共同制作する際に、1シリーズ目の視聴率があまり上がらなかったとしても、ファンがいることがわかっていれば、一緒に2シリーズ目を作ることが可能になる。」さらに、「これまで、クラウドファンディングでは日本のユーザーを対象としたものが中心だったか、映像がグローバルで視聴可能な現在、かつアニメーションは世界各国にファンがいるとすると、より細分化してファンを紐づけていくことができる、そしてそのリスト自体を名簿として会社が保有せずとも、NFTによって接点を作っていくことができ、コミュニティ化できる。こうした点は、映画製作プロセスの大きな変化となるのではないか」と具体例を用いながら語りました。

また、ブロックチェーンによりこれらのプロセスが透明化され、取引履歴が証明できることでのメリットについて、「「私たちは初期から応援してきたメンバー」と表明できたり、メタバースの世界が広がれば、そのこと自体がトリガーとなり、様々なサービスに活用できる。」と未来像についても触れました。

Web2.0からWeb3.0へ NFTで映画はどう変わる
別所は、「Web2.0の時代はそれまでFXAだったコミュニケ―ションがメールへと変化していった時代とし、「今とっつきにくいと思っている映像制作に係る人にとっても、Web3.0の時代は数年のうちに当たり前のことになっていくのではないか」と述べ、各務氏、太一監督に現在の世界でのNFT活用状況を聞きました。

各務氏は「映画の世界でいうと、資金調達がやはり大きい。株主と株式の仕組みのように、将来儲かったら利益を還元する、となると証券に該当して難しい。NFTの場合は、継続接点を作れることから、初期から参画してくれている人たちがわかるので、結果的に興行で大きく儲かった際に、その初期投資家に対して大きくメリットを還元していくという設定が可能になる」と説明しました。

太一監督は「カンヌ国際映画祭はじめ、皆NFTに関心を持っており、何ができるかを探している。そしてみなつまずいているようでもある。今はまさに、最初にPCを買った時に近い感覚。なんでもできるからこそ何もできない、という状態」と話し、「映画は人間が作るもの。NFT技術とテクニックを駆使すると、アーティスト一人一人を価値化できる。たとえば、映画監督がスポンサーをつけて映画を撮ったって良い。お金を集める、制作する、売る、というプロセスを崩すことができる。」と説明しました。

また、各務氏は、「NFTはグローバルなリーチが取れるのも大きなポイント」とし、日本で作る映画に、国境を越えて世界の人が参加できる点、また、ファンがいる前提で進めていく映画製作プロセス、そして、製作者と支援者がダイレクトにつながれる(中間手数料をとられることなく)ポイントについても話しました。
各務氏は、「映画製作には中央集権的な指揮者はどうしても必要だが、自分がやりたいこと、できないこと、クリエイティブとして発信したい、共通理念を持った人を探したいなど、クリエイターがもっと多くのトライができる環境をネットワークとして作ることがより重要性を持つのではないか」と話しました。

太一監督は『The Rhetoric Star』のプロデューサー中辻氏の言葉を借り、Web2.0時代は、映画は見るものだったが、Web3.0時代では、映画は参加するものになる。」と説明。「音楽が聴くものからからカラオケで歌う時代になったように、新聞で情報を読む時代からSNSで情報発信する時代になったように、映画を消費してきた個人が映画を作る側に立ってみることができる時代。」と語りました。

コミュニティドリブンの映画とその実現性
各務氏は、「実際に(今まで述べてきたような)ことが実現できるのか、と考える人も多い中で、『The Rhetoric Star』は映画製作の形の中で実証しながら進めている。クリエイターや映画製作者、がこれをモデルにしていけるものにしていきたい」と語りました。
別所より、映画を一緒に製作していくプロセスマーケティングの実現性について質問がされると、太一監督は「数字が示す当たり前の話として実現可能」と明言。「ハリウッド、中国に次いで日本の映画コンテンツは世界第3位。ハリウッドは老朽化し始めているし、フランス、イタリア、ドイツはカルチャーとしての映画は強いが、マネタイズの視点で見ると日本ほど大きなことができていない。まさに今、アジアの時代に向かっている。やるべきことの一つとしてNFTがある。」と熱弁しました。

また、『The Rhetoric Star』が挑むものとして、各務氏は「映画作品を作っていく資金調達の段階からコミュニティを作っていくこと。マーケティング含め、ビジネス収益の多角化も視野に、新しい映像製作の形を世の中に示したい。映像製作の新しい仕組みを作りたい。」と語りました。

終盤、別所よりショートフィルムとNFT、映画祭とNFTでは何ができるか?という問いかけに対し、各務氏は「映画祭とコミュニティはフィットしやすい。一般人が世の中に出ていない作品を評価して高め合っていく、新しい映像評価の枠組みができるのではないか。多言語化が発展していきている中で、一つ土台を落として(プロでなくとも映像甲子園的に個人が参加できる場で)評価し合う仕組みを作ったら、コミュニティ化していくことができるのでは。」と述べました。

太一監督は、「ショートフィルムならではのポジションが重要。映画の長編はプロが作っている。ショートフィルムは作りたい側の作品。TikTokやYouTubeで動画をアップしている人々は既にドラマを作りたくなっており、向かっている先はショートフィルムであることは明確である」とし、「一般人が映画を作るようになる。その入り口が必ずショートフィルムである」と述べました。

各務氏からはリテラシーの必要性についても説明がありました。「誰でも参入できる世界である反面、まだまた規制をはじめ、不透明な点がある。」と各務氏が伝えると、太一監督は、「業界的な標準が決まってから参入しようとするとできない。観客の意識が変わり続けている中で、気になった時点で参加し、肌で感じながら変えていく。一番のデメリットは参加しないこと。」と語りました。

会場、およびオンライン上からのQ&Aでは、注目のNFTプレイヤーについて質問があり、太一監督は、「アーティスト一人一人に頂点となれるチャンスがあるタイミング」とし、別所も「あなたが注目のプレイヤーになる」と続けました。

別所より、『The Rhetoric Star』のプロジェクトに注目をいただきたい。映画祭としても連動する株式会社ビジュアルボイスによるWeb3.0 プロジェクトページ のスタートしてる」と紹介があり、「世界のクリエイターから是非ドアをにックしてほしい、私たちからもノックしてつながっていき、コミュニティを作っていきたい。」と最後を締めくくりました。

◆The Rhetoric Star  https://twitter.com/THERHETORICSTAR
◆株式会社ビジュアルボイスによるWeb3.0プロジェクトページ https://v-voice.jp/web3/index-ja.html

<開催概要>
ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2022Online Closing Seminar
NFT×映画 feat. The Rhetoric Star (NOMA × CoinPost)

日時:2022年7月26日(火)17:00-18:00
登壇者:NOMA(株式会社EDLEAD-japan- 代表取締役)映画監督 太一
    株式会社CoinPost 代表取締役 各務貴仁
    株式会社ビジュアルボイス代表 別所哲也
※LIVE配信は住友商事運営の、業界の垣根を超えたコラボレーションを実現するイノベーションラボ「 MIRAI LAB PALETTE」から行われました。

※株式会社パシフィックボイスはショートショートフィルムフェスティバル&アジアの企画・運営を行っています。

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