電通グループとプレティア・テクノロジーズが共同でAR浸透度調査を実施

電通グループのプレスリリース

 株式会社電通グループ(本社:東京都港区、代表執行役 社長 CEO:五十嵐 博、以下「当社」)は、自社のR&D組織「電通イノベーションイニシアティブ」(以下「DII」)と、当社の出資先で、ARクラウドプラットフォーム「Pretia」を展開する「プレティア・テクノロジーズ株式会社」(本社:東京都品川区、代表取締役:牛尾 湧、以下「プレティア社」)と共同で、全国15~59歳の計1,000名を対象に、「AR浸透度調査」(以下「本調査」)を実施しました。
 第一回目の調査となる本調査では、特にAR体験の企画・開発者への示唆を提供することを目的に、エンターテインメントやマーケティングなど今後益々活用の場の拡大が見込まれるARの現状の使用経験者や認知率、さらに生活者が期待する機能など将来の可能性等について調査しました。
 

【本調査の主なファインディングス】
 
1. AR機能の使用経験者は半数を超え、さらにAR利用者を100とした場合、6割はARと認識せずにAR機能を利用。

 
2. 年齢が若いほどAR認知、関心は高い。特に10代は他の年代を大きく上回る。
多く利用されている機能は「ゲーム/エンタメ」「エフェクト」だが、今後期待されている機能は「ユーティリティ」「情報」「ナビ」機能。
 
3. 若年層ほど実生活へ有用なAR機能への関心が高く、今後の普及拡大に期待が高い。
 
4. ARによって、カスタマージャーニーが変わる。
AR
は、購入プロセスにおいて、「興味・関心」に寄与するだけでなく「検討」にまで影響を与えている。ARにより、トライアル意向の向上や購入・利用の選択肢に挙がるきっかけに。
 
5. 体験設計のポイントとなるARの価値は、「楽しい・ワクワク」「遊び心・クリエイティビティ」などの感性刺激や、「非日常/世界観」。

 当社は、本調査を通じて得られた知見をもとにグループ横断でAR事業を推進するとともに、今後も継続的に調査を実施することで、AR市場の創生・拡大に貢献してまいります。
 

【各ファインディングスの詳細】
 
1. AR機能の利用経験者は半数を超える。さらにAR利用者を100とした場合、6割はARと認識せずにAR機能を利用(図表13参照)。年齢が若いほどAR認知、関心は高い。特に10代は他の年代を大きく上回る(図表4参照)。
 
 ARの概念を提示したうえで認知・利用状況を確認すると、ARの認知率は6割半ば。どのようなものかまで理解している人は4割弱。体験したことがある人は2割弱にとどまる。
 しかし、質問内容を機能を切り口にして聴取すると、利用経験者は半数に至り、世の中ではARと認識せずに利用している人も多いことが窺える。
 
【図表1】
 
 
【図表2】

 

【図表3】
 

※Appendix:図表3のAR「認知者」や「体験者」の定義
以下2つの質問の回答を組み合わせて、より実態に即したARの浸透率を把握。
質問1. ARとは何か :Q.あなたは、AR(拡張現実)をご存知ですか。
質問2. ARの個別機能:Q.以下のAR(拡張現実)の機能や体験をご存知ですか。また、これまでに利用したことはありますか。
 
※1. AR認知者:
ARの認知あり、またはARが何かは知らないが機能は認知ありと回答
→【質問1】で認知あり or 【質問2】のいずれかの機能認知あり
 
※2. AR認識利用者:
ARだと認識し、機能問わず体験ありと回答
→【質問1】で認知あり
 
※3. ARと認識していない利用者:
「ARを体験したことはあるか」と聞かれて、体験したことはないと回答するが、個別の機能を呈示すると体験したことがあると回答
 →【質問1】で体験したことはないと回答するものの、【質問2】ではいずれかの機能で体験あり
 

【図表4】
 


2. 多く利用されている機能は「ゲーム/エンタメ」「エフェクト」だが、今後期待されている機能は「ユーティリティ」「情報」「ナビ」機能(図表5参照)。
 
 「デバイスの画面を通して、家具や家電の配置や大きさを確かめられる」「デバイスの画面を通して、服や靴のサイズ感の確認、眼鏡・腕時計などの試着ができる」などのユーティリティ関連機能や「飲食店のメニューにデバイスをかざすと、実物が映し出されて見た目やボリュームなどを確認できる」などの情報関連、「デバイスの画面を通して、町中に目的地への行先を表示させ、道案内をしてくれる」のナビ機能が関心の高い項目として上位に挙がる(図表5参照)。
 また、10代~20代で利用経験が高く、特に男性10代はゲーム/エンタメやユーティリティ、エフェクト/フィルターの他、情報やナビ、ARグラスなど多くの項目について利用経験率が2割を超える(図表6参照)。
 
 
【図表5】

 

【図表6】

 

 
3. 若年層ほど実生活へ有用なAR機能への関心が高く、今後の大きな普及に期待できる。

 全体的に10代の関心が高い結果となっているが、特に女性10代の機能全般への関心が高い傾向が見て取れる。また、ユーティリティを始めとして撮影する写真や動画への加工(エフェクト/フィルター)やデバイスをかざして演出などの情報が投影される機能(ゲーム/エンタメ、情報)、ナビは男性よりも女性の方が関心が高い(図表7参照)。

【図表7】

 
 

4. ARによって、カスタマージャーニーが変わる。
AR
は、購入プロセスにおいて、「興味・関心」に寄与するだけでなく「検討」にまで影響を与えている。AR試着機能や購入前に家具のサイズをARでシミュレーションできる機能などを提供することで、トライアル意向の向上や、購入・利用の選択肢に挙がるきっかけに。
 
 ARはカスタマージャーニーにおいて「興味・関心」「情報収集行動」への貢献が高い。また、商品購入やARを搭載・活用したサービス利用については、「家具」「飲食店/カフェ」「食品」で購入・利用の選択肢/候補への影響度も他と比べて高い傾向にある(図表8参照)。
 
【図表8】
 

 

 
  同時期に実施した定性調査でも同様に、ARのカスタマージャーニーへの影響を裏付ける結果が出た(図表9参照)。自宅でメガネの試着や家具の配置を試せるARアプリの体験者によると、「複数店舗行き来する手間が省ける」「営業時間・滞在時間に縛られずに試せる」「今までの自分では試さないような商品も検討しやすい」点が魅力的に感じられ、予め候補の商品・物件が絞り込めることで実際に訪れる店舗数を減らすことができ、買物の手間を削減できると満足度の高い結果となった。一方、ARによる「コスメ」お試しは購入決定にまでは影響はしないものの、トライアルのきっかけになったことがわかった。ブランド認知に関わらず生活者にリーチできる可能性を示唆している。

 よって今後は、ARを含めたユーザージャーニー全体の体験設計が重要になっていくと考えられる。
 
 
【図表9】



5. ARによってもたらされる体験の価値は、「楽しい・ワクワク」「遊び心・クリエイティビティ」などの感性刺激や、「非日常/世界観」。
 
 生活者はARのアプリケーションに楽しさやクリエイティビティなどを期待している。ユースケース別で重要度は変わると考えられるが、感性を刺激する「ワクワク」がある体験を企画・設計することが重要(図表10参照)。

【図表10】

 
 

【調査概要(定量調査)】
目的:世の中におけるARの「認知」や「利用実態」の現状把握。ARが持つ価値・ベネフィットを把握し、今後の浸透策や活用方法の検討を行う。
対象エリア:日本全国
対象者条件:15~59歳
サンプル数:1,000ss(エリア×性年代人口構成比で割付回収)
調査手法:インターネット調査
調査期間:2022年11月25日~11月28日
調査機関:株式会社電通マクロミルインサイト

【調査概要(定性調査)】
目的:ARの「利用実態」を把握し、ARならではの価値や魅力点を探る。
対象エリア:全国
実施グループ:2グループ(1グループ3ss)
対象者条件:AR体験者
調査手法:オンライングループインタビュー
調査期間:2022年12月13日、16日
調査機関:株式会社電通マクロミルインサイト
 
                                           以 上

【本R&D活動に関する問い合わせ先】
株式会社電通グループ 電通イノベーションイニシアティブ 
URL:https://innovation.dentsu.com/
Email:innovation-initiative@dentsu.co.jp

【リリースに関する問い合わせ先】
株式会社電通グループ グループコーポレートコミュニケーションオフィス 佐藤、島津
Email:group-cc@dentsu-group.com
 

 

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