2022年に開催されたFIFAワールドカップで、母国アルゼンチンを優勝に導いた『神の子』メッシ選手。所属していたパリ・サンジェルマンとの契約終了に伴い、その後の移籍先が注目されていましたが、この6月、新たにアメリカのインテル・マイアミでプレイすることが発表され、サッカーファンのみならず世界中の人々に衝撃を与えました。
最近ではスポーツ観戦の種類もバリエーション豊富になり、ブックメーカーでベッティングしながらゲームを楽しむファンも増えてきていると言われています。オンラインなら海外でのゲームも日本からリアルタイムで応援することもできます。ここでは、メッシが移籍したことで、今改めて注目を集めているアメリカのサッカー界を覗いてみたいと思います。
サッカー不毛の地
「アメリカのメジャーリーグ」と聞いて、多くの人がまず一番に思い浮かべるのは『野球』ではないでしょうか。実際、アメリカにおける野球人気は国技と言ってもいいほど、不動のものとなっています。また、野球の他にもアメリカには、アメリカンフットボール(NFL)やバスケットボール(NBL)など、世界有数のスポーツ大国だけあって、プロ・アマチュア合わせて多くのリーグが存在しています。そして、実はその中にサッカーもプロリーグが存在しているです。「アメリカでサッカー?」と首をかしげたくなるのも無理はありません。サッカーと言えば、やはり、イギリスやフランスをはじめとしたヨーロッパ諸国や、メッシの母国であるアルゼンチンやブラジルといった南米の国々がメインですよね。オリンピックなどの国際大会でもアメリカの存在は影が薄いと言えるかもしれません。実際、アメリカでは先に挙げた野球などの人気が根強く、サッカー関係者からも長くサッカー不毛の地として捉えられてきました。でもアメリカにもサッカーのメジャーリーグ(Major League Soccer)があるのです。
メジャーリーグサッカー
『メジャーリーグサッカー』は1996年に発足した、アメリカのプロサッカーリーグです。実はそれ以前にも『北米サッカーリーグ』というのがありましたが、当時はアメリカにおけるサッカーの知名度は今よりもさらに低く、ヨーロッパや南米からペレやベッケンバウアーなどのスター選手を招いて人気獲得を図ったものの、興行は伸び悩み、1984年には解体されてしまいました。しかし、1994年に初めてFIFAワールドカップがアメリカで開催されたのを起爆剤に、再びサッカーのリーグ設立が叫ばれるようになり、1996年に新たにメジャーリーグサッカーが創立されたのです。発足当時、所属していたのはわずか10チームほどでしたが、アメリカ国内におけるサッカーの知名度と人気が徐々に伸びてきたことに伴い、チーム数も拡大し、現在ではアメリカのみならずカナダのチームも含めて29クラブが所属する大所帯となっています。
ナショナル・ウィメンズ・サッカー・リーグ
そして男子サッカー以上に盛り上がりを見せているのが、アメリカにおける女子サッカーです。実は、アメリカの代表女子チームはワールドカップでの優勝が最多の3回、オリンピックでは金メダル4個、銀メダル1個を獲得、そしてFIFAランキングでは不動の1位と、まさに女子サッカー界の女王と呼ばれるほどの記録を誇っているのです。また、アメリカの女子サッカーは強いだけでなく、国内における人気も高く、2022年にはアメリカの女子サッカー人口は38万人にまで膨らんだとも言われています。そんな実力と人気の基盤になっているのが、2012年に創設された『ナショナル・ウィメンズ・サッカー・リーグ(National Women´s Soccer League)』です。現在、12のクラブが所属し、日本からも多くの女子サッカー選手が参加しています。
こうして徐々に国内での人気を上げてきているアメリカのサッカー。これまでアメリカの4大人気スポーツといえば、野球、アメリカンフットボール、バスケットボール、アイスホッケーでしたが、近年、ここにサッカーが加わるほどの勢いを見せているという調査結果も出ています。今回、そこに圧倒的スター選手であるメッシ選手が加わることにより、さらに人気が急上昇する可能性もぬぐえません。