〜ゲーミング空間は「ファミリーリビング型」「ゲーマーカップル型」他 5種に分類〜
ルームクリップ株式会社のプレスリリース
住生活の領域に特化した日本最大級のソーシャルプラットフォーム「RoomClip( https://roomclip.jp/ )」を運営するルームクリップ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:髙重正彦)は、投稿写真や検索キーワードなどのデータを基に住まいや暮らしについて調査・研究をする「RoomClip住文化研究所( https://lab.roomclip.jp/ )」より、「ゲーミング部屋」に関する投稿・検索データと実際の投稿の分析をまとめたレポートを発表しました。
【レポート発表の背景】
ルームクリップは、家具や家電、雑貨などインテリアの写真を投稿・閲覧できる、住生活の領域に特化した日本最大級のソーシャプラットフォーム「RoomClip( URL: https://roomclip.jp/ )」を提供し、月間ユーザー数は600万人、写真枚数は600万枚を超えています。
「コンピューターゲーム大国、日本」の礎を築いたともいえる任天堂の家庭用ゲーム機「ファミコン」が誕生して、40年。今ではプレイできる機器や手段が多様化し、ゲームをする年齢もシニアから幼児にまで広がっています。暮らしへのゲームの浸透は、RoomClipでも如実に表れています。今回のレポートでは、多様化が進んだ住まいのゲーミング空間が主に5タイプに分類できること、また、その中にはこれまで見られなかったタイプがあることを紹介します。投稿実例やデータを交えながら、それらの誕生背景や現在のトレンドと合わせて解説します。
【主なトピックス】
1:ゲーム人口が増え、「ゲーム」の投稿水準は3年で1.6倍に増加
総務省による「令和3年社会生活基本調査」によると、趣味・娯楽の中でゲームをする人の割合は、2016年から2021年の5年間で7.1ポイント上昇し、42.9%に。 RoomClip内でも「ゲーム」というキーワードを含む検索水準は、2020年と比較して1.62倍に増加しています。
2:5種に分類される住まいのゲーミング空間
ゲームに関する投稿を分析したところ、ゲーミング空間は、以下の5種に分類できることがわかりました。
-
居間やリビングに集まってプレイする「ファミリーリビング型」
-
思い思いの場所でプレイする「フリーアドレス型」
-
没入できる閉ざされた空間として整えられた「没入空間型」
-
寝室や仕事部屋、趣味部屋などの空間と融合している「多目的コーナー型」
-
一つの部屋にゲーミング環境を複数並べる「ゲーマーカップル型」
3:ゲームタイトルのマルチプラットフォーム化で生まれた「多目的コーナー型」
ゲームのマルチプラットフォーム化により、これまで家庭用ゲーム機でプレイしていたライト層とPCでプレイしていたコア層が同じゲームタイトルを楽しむようになりました。これに加え、若年層を中心にゲーム実況動画が流行し認知経路が変化したことによって、従来ファミリーリビング型にとどまっていた可能性のある若年層を起点にゲーミング環境構築への意識が高まる構造が生まれ、「多目的コーナー型」誕生に繋がりました。
4:女性ゲーマー人口の増加により生まれた「ゲーマーカップル型」
アメリカの市場調査/コンサル会社のNiko Partnersによる2020年の調査によると、アジアでは近年女性ゲーマーの増加率が特に著しく、2017年から2019年にかけて18.8%増加。2019 年末には、女性ゲーマーはプラットフォーム全体で5億人まで増加しました。ゲーマーの女性人口増加や多様化が進む中、カップルや夫婦でゲームが共通の趣味、というケースが増加していることを背景に「ゲーマーカップル型」が生まれました。
【総括・考察】
ゲーミング空間にとどまらず、生活空間に受け入れられるゲーム文化
消費者庁の報告によれば、年齢が若いほど「推し」に関連した消費活動が増加しており、10代後半の約半数が推し活をしています。また、日経リサーチの調査でも、ゲームが推し活の対象として4位にランクインしており、ゲームが「推し活」の人気ジャンルとしてもとらえられてることがわかります。RoomClip内でも、ゲーム関連のキャラクターグッズがディスプレイされる部屋が増えている傾向があります。
この背景には、企業のIPビジネス戦略が影響を与えていると考えられます。任天堂などの企業がその効果を示しているように、これらの動向は、推し活やゲーム人口の増加を後押しし、業界のますますの発展が期待されます。
さらに、近年では新たなゲーム機器としてVRも注目されていて、今後、イマーシブ技術のさらなる発展によっては音や空間を分けることに対するニーズが今以上に増えるかもしれません。RoomClip住文化研究所では、今後もゲーミング環境の変化について注目していきます。
※本レポート全文はこちら
URL:https://lab.roomclip.jp/contents/gaming/
【今回の調査レポート内容・抜粋】
1:ゲーム人口が増え、「ゲーム」の投稿水準は3年で1.6倍に増加
総務省による「令和3年社会生活基本調査」によると、趣味・娯楽の中でゲームをする人の割合は、2016年から2021年の5年間で7.1%上昇し、42.9%となっています。 また、株式会社角川アスキー総合研究所による調査では2022年の国内ゲーム人口は5400万人であると報告されています。
RoomClipのデータを参照しても、やはりゲームへの関心度の上昇が伺えます。
上図は「ゲーム」というキーワードを含む検索水準の年推移ですが、増加し続けていることがわかります。
2:5種に分類される住まいのゲーミング空間
実際にゲームにまつわる投稿を見てみると、現代の住まいにおけるゲームプレイ環境、つまりゲーミング空間は主に5つに分類が可能です。
縦軸はプレイする人が「複数」か「一人」かを示し、横軸は日常で費やすゲーム時間の長さによって「ライト層」か「コア層」かを示します。「ライト層」「コア層」は近年SNSを中心に通称「エンジョイ勢」「ガチ勢」と呼ばれるケースも多いです。
「ファミリーリビング型」「フリーアドレス型」「没入空間型」は、細かく見ていくと変化やトレンド、派生型が出現しているものの、形式としては2010年代のSNS普及以前より存在していました。
一方で、中心に位置する「多目的コーナー型」と「ゲーマーカップル型」は、近年になって見られるようになった形式です。
▶️ファミリーリビング型
1983年にファミコンが登場した当時から現在に至るまで、広く見られる形式が「ファミリーリビング型」です。
家庭用ゲーム機は元々ファミリーを対象にしていたこと、また、日本の家庭においてテレビは居間やリビングに一台あるというのが一般的だったため、自然とこの形式が定着しました。最近ではコロナ禍の「宅トレ」ブームと共に流行した体感型ゲームの影響もあり、テレビ前のスペースを広くとるレイアウトノウハウも、派生型として誕生しています。また、周辺機器が増えるにつれて悩みの種となってくるそれらの収納方法に関しても、工夫やアイディアが発信されています。
▶️フリーアドレス型
1980年代後半に「ゲームボーイ」などの携帯型ゲーム機器が人気を博して以来、現在も見られるのが「フリーアドレス型」です。
RoomClipでは、一人ないし複数の子どもがゲーム機やスマートフォン・タブレットなどを使って思い思いの場所でプレイしている様子が度々投稿されています。
▶️没入空間型
専用のPC、モニター、デスク、チェア、キーボード、ボイスチャットのためのマイク、配信のためのカメラなどの機器に加え、色鮮やかな照明デコレーションによって構成された、ゲームの世界観を反映するようなサイバー感を印象づけるスタイルが近頃のトレンドです。
この形式のゲーミング環境を持つのは一人暮らし層が中心で、2010年代は特にプロフィール上で男性の投稿が目立っていましたが、最近は主流のサイバーなスタイルから派生して、よりシンプルなスタイルや、ピンクなどを多用した可愛らしいカラーやデザインでまとめらている部屋も増えており、女性による投稿も目立ちます。
▶️多目的コーナー型
「多目的コーナー型」は、寝室や仕事部屋、趣味部屋、はたまたヌックなどの空間とゲーミング環境が融合している多目的な部屋です。没入空間型同様に閉ざされた空間であっても、同タイプと比べてシンプルなインテリアでつくられるケースが散見されます。この形式は一人暮らしの他、ファミリー層で取り入れられているケースも多いのが特徴です。
▶️ゲーマーカップル型
一つの部屋にゲーミング環境を複数並べるのが「ゲーマーカップル型」です。
同棲カップルやDINKS、ファミリー層の住宅で見られます。「ゲーミングリビング」という象徴的なキーワードからもわかるように、リビングのように開けた場所であってもファミリーで一つのゲームを一緒に楽しむためではなく、並んで会話は楽しみつつ各々が好きなゲームで遊んだり、ときにはオンライン上で同じゲームを遊ぶことを目的としてつくられているのが最大の特徴です。 インテリアスタイルは多目的コーナー型と同じく多様で、いずれもゲームの世界観よりも、日常のライフスタイルを反映する形で構築されています。
3:ゲームタイトルのマルチプラットフォーム化で生まれた「多目的コーナー型」
「多目的コーナー型」誕生の主な背景として、ゲームタイトルのマルチプラットフォーム/クロスプラットフォーム化によって起きたゲームプレイヤーのライト層とコア層のクロスオーバー、そして若年層への影響力拡大が挙げられます。
もともと、ゲームプレイヤーのライト層とコア層は、ゲームのプラットフォームとハードによってある程度の棲み分けがされていました。「みずほ銀行 コンテンツ産業の展望 第5章 ゲーム産業」にて紹介された上図がこのことを分かりやすく図解しています。
コア層になるほどPCで、反対にライト層ほど家庭用ゲーム機やスマートフォンでプレイすることがわかります。
しかし、2010年代に入ってからゲームのマルチプラットフォーム/クロスプラットフォーム化が進みます。これはハードの縛りをなくしたプラットフォーム連携機能を意味し、これによりハードの垣根を超えてゲームタイトルがプレイできたり、セーブデータが共有できるようになりました。従来の常識だった「このゲームをプレイしたければ、このハードを所有していないといけない」という制約が解消されたことで、これまで家庭用ゲーム機でプレイしていたライト層と、PCでプレイしていたコア層が同じゲームタイトルを楽しむようになっただけでなく、対戦や協力プレイなども可能になりました。
かつて見られていた「棲み分け」の境界線が非常に薄くなった、というわけです。
また、YouTubeなどの動画コンテンツプラットフォームでは主にコア層が発信元となる、ゲーム実況コンテンツが人気を集めています。特に子どもをはじめ若い世代でゲーム関連動画の人気は顕著で、LINEが行った2022年の調査でも10代・20代ともに「よく見るYouTubeのジャンル」としてゲームが2位にランクインしていることが分かります。
ゲームの認知経路に関しても、10代はその半数近くが「ゲーム実況」を占めているという三菱UFJリサーチ&コンサルティングによる調査結果もあります。
実際にRoomClipでゲームにまつわる投稿を見ても「子どもに頼まれてゲーミング環境を整えた」といった趣旨の投稿やコメントを度々見かけます。
ゲームのマルチプラットフォーム化とゲーム実況動画の流行から端を発した認知経路の変化によって、従来ファミリーリビング型にとどまっていた可能性のある若年層を起点にゲーミング環境構築への意識が高まる構造が生まれました。
4:女性ゲーマー人口の増加により生まれた「ゲーマーカップル型」
RoomClipで投稿されているゲーマーカップル型のゲーミング環境は、ゲーム好きの比較的若年カップルの同棲や結婚、住宅取得のタイミングでつくられたケースが多いようです。
没入空間型の紹介で言及した、女性によるゲーム部屋の投稿が増えていることとも関連しますが、ひとつの大きな背景として世界的に見た女性ゲーマー人口の増加があります。
アメリカの市場調査/コンサル会社のNiko Partnersによる2020年の調査によると、アジアでは近年女性ゲーマーの増加率が特に著しく、2017年から2019年にかけて18.8%増加。2019 年末には、女性ゲーマーはプラットフォーム全体で5億人まで増加し、これはアジアの総ゲーム人口の38%を占めるとのことです。
日本におけるゲーマー人口の男女比を見ると、2019年の時点で46%が女性という株式会社ゲームエイジ総研による調査結果もあり、性差は小さいことがわかります。
ゲーマーの女性人口増加や多様化が進む中、カップルや夫婦でゲームが共通の趣味、というケースが増加していることは容易に想像されます。暮らしを共にするタイミングで一緒にゲーミング部屋を持つということは自然な流れなのでしょう。
新しいゲーミング環境の形式として見られるようになった「多目的コーナー型」と「ゲーマーカップル型」誕生の背景には、ゲーム業界周辺で起きた時代の変化が色濃く反映されていることがわかります。
※本レポート全文はこちら
URL:https://lab.roomclip.jp/contents/gaming/
【RoomClip住文化研究所について】
RoomClip住文化研究所は、RoomClipに投稿された膨大な写真やコメント、タグなどの実例データ、検索や保存、いいねなどのアクティビティデータ、ユーザーアンケートやインタビューなどを基に、住まい・暮らし領域のトレンドや消費性向などについて調査・分析する研究機関です。2021年4月に設立し、毎月様々なテーマで分析レポートを発表しています。
【RoomClipについて】 https://roomclip.jp/
家具や家電、雑貨などのインテリア写真の投稿、閲覧からアイテムの購入までできる、住生活の領域に特化した日本最大級のソーシャルプラットフォームです。スマートフォンアプリとインターネットのウェブサイトを展開しています。現在月間ユーザー数は600万人、写真枚数は600万枚を超えます。RoomClipは日本で最も「実際に人が生活している部屋の写真とデータ」が集まっているサービスです。雑誌やテレビなど年間に100以上の媒体でRoomClipユーザーが紹介されています。
【ルームクリップ株式会社について】
代表者:髙重正彦
設立:2011年11月24日
所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷1-28-1
事業内容:「RoomClip(ルームクリップ)」の企画・開発・運営、「KANADEMONO(カナデモノ)」の企画・製造・販売、インテリアの仕入・販売、その他EC・D2Cに関する事業
RoomClip( https://roomclip.jp/ )
RoomClipビジネス( https://roomclip.jp/business/ )
RoomClipショッピング( https://roomclip.jp/shopping/ )
RoomClip住文化研究所( https://lab.roomclip.jp/ )
KANADEMONO(https://bydesign.co.jp/ )