特定非営利活動法人Board Game Japanのプレスリリース
学習要素を含むボードゲームの開発やボードゲームの開発・振興・研究に向けたプラットフォームの構築を行うNPO法人Board Game Japan(京都市左京区、代表理事:堂野能伸)は、アマチュアのボードゲームクリエイターやによるユニークな作品や、様々なゲームを楽しむユーザーの “ボードゲーム愛” に光を当て、それらを表彰するコンテスト「第2回Board Game Japanカップ」を開催しました。
エントリー期間(2023/11/10(金)〜2024/1/10(水))に、高校生以上の一般の方を対象にしたクリエイター部門は28作品、小中学生の方を対象にしたジュニアクリエイター部門は23作品の応募があり、審査を行った結果、以下の作品が第2回Board Game Japanカップの入賞作品となりました。
クリエイター部門
大賞 |
「テントセン」 (冨村大翔さん、進藤晴さん・愛知県) |
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入賞 |
「HOTDOG – Put the Sausage!-」 (molliさん・埼玉県) 「DOCTOR EGG 〜生活習慣病患者を守れ〜」 (GARROW JEANS 瀧翔太さん、鈴木陽登さん、山下雄生さん、佐野亮太朗さん・東京都) 「摂食障害予防ゲーミング教材 『キュアード』(仮)」 (竹田剛(神戸学院大学心理学部)さん、おちゃずけさん、大下修央(スピカデザイン)さん・兵庫県) 「ミライノクラシ」 (石原滉士さん・東京都) |
ジュニアクリエイター部門
大賞 |
「Hoi」 (田島ちひろさん・東京都) |
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入賞 |
「Burst of Mana(バースト・オブ・マナ)」 (rukoさん・千葉県) 「モコちゃん人生ゲーム」 (さきさん・東京都) 「「核のゴミ」を知り、議論するためのボードゲーム」 (磯貝月香さん、平原成美さん、村上寛朗さん、若菜晏さん・東京都) 「無敵のチータラ」 (まるるさん・神奈川県) |
ご参考)第2回Board Game Japanカップの特設ページ
https://boardgamejapan.org/cup/
なお、3月17日(日)10:00~17:30に新横浜3丁目大ホールで開催される教育・研修ゲーム/サービスの展示・販売・商談・体験会「Play & Learn 2024(#01)」で、第2回Board Game Japanカップの表彰式を行う予定です。受賞作品の試遊なども計画していますので、ご興味を持たれた方はぜひご参加ください。イベントの詳細やお申し込み方法はPlay & Learn 2024(#01)の公式サイトをご覧ください。
入賞作品に関する選評は次の通りです。
クリエイター部門
大賞(賞品:Amazonギフトカード5万円分)
「テントセン」(冨村大翔さん、進藤晴さん・愛知県)
選評:点字ブロックは世の中に浸透しているがゆえに、社会課題となっていること自体、健常者にはなかなか意識が向きにくいと思います。そういったテーマを用い「点字ブロック」という存在の意義を喚起させる仕組みが上手く作りこまれています。また、視覚障害のある方も遊べそうな所も良くできています。
入賞(賞品:Amazonギフトカード1万円分)
「HOTDOG – Put the Sausage!-」(molliさん・埼玉県)
選評:超シンプルで面白く、完成度が高いコンテンツとしての良さに加え、郵送して友達に薦め拡散できるアウトリーチ性の高さが、他のゲームにはない良いアイデアとして評価のポイントになりました。
「DOCTOR EGG 〜生活習慣病患者を守れ〜」(GARROW JEANS 瀧翔太さん、鈴木陽登さん、山下雄生さん、佐野亮太朗さん・東京都)
選評:日本での死亡者数の6割を占める生活習慣病をテーマに、プレーヤーが医者となり、各病気にあったアドバイスを送り治療するゲームになっています。「ストレス発散」といった複数種類の生活習慣病に効くアドバイスがあるなど、生活習慣病とその予防・対処への理解が深まる点が評価されました。
「摂食障害予防ゲーミング教材 『キュアード』(仮)」(竹田剛(神戸学院大学心理学部)さん、おちゃずけさん、大下修央(スピカデザイン)さん・兵庫県)
選評:中学生・高校生にはイメージしづらいことがある摂食障害を、ゲームを通して体験し「身近な自分事」として理解できるゲームとなっています。摂食障害の症状とその回復過程について学ぶための教材として授業等で用いることができる点が評価されました。
「ミライノクラシ」(石原滉士さん・東京都)
選評:住民になって街づくりに関する様々なアイディアを出してミッションをクリア、チームと個人の幸福度を獲得していくゲームです。評価シートなど、街づくりのワークショップ等で使うのにも役立ちそうなツールがいっぱい盛り込まれているほか、白紙のカードに自分自身のカードを作ることができることで、自分事として街づくりを考えることや、住民カードに外国人、介護をしている人、同性愛者やひとり親など支援が必要な人やマイノリティの人たちも含まれていることに気付かせる工夫が盛り込まれていました。また、予算が限られている中で、プレイヤーだけではなくチームとしての幸福度を考えていくという制約があることでバランスの良い議論をしやすくする作品です。
ジュニアクリエイター部門
大賞(賞品:Amazonギフトカード3万円分)
「Hoi」(田島ちひろさん・東京都)
選評:ゲームとしての完成度も高く、長く大事に使ってもらいたいという思いから一つ一つ丁寧に手作りされていたり、紛失や修理などのアフターフォローまでしようとするエコフレンドリーな取り組みがとても良いと思います。
入賞(賞品:Amazonギフトカード1万円分)
「Burst of Mana(バースト・オブ・マナ)」(rukoさん・千葉県)
選評:変異し増殖したマナを扱いながら、相手のマナ噴出孔を塞ぐゲームです。つくりこまれたカードとシンプルなルールがつくりあげる良い意味で独特な世界観にひきこまれる点が評価されました。
「モコちゃん人生ゲーム」(さきさん・東京都)
選評:愛犬のモコちゃんの思い出や写真も入れこんで作られた人(犬?)生ゲームです。身近なテーマを選んで、ほかの人と共有してもらうためのツールとして作られており、作成者のモコちゃんへの思いが伝わってくる素敵な作品でした。また、ゲームを作るために犬の病気や生涯についても調べるなど、自分自身の学びにもつながっていることがジュニアクリエイター部門としても重要な点でした。思い出や調べたことを付箋に書き、さらには写真もマスにするなど並び替えの自由度も高く、身近にある材料で作る人も遊ぶ人も楽しめるゲームが作れることを教えてくれる作品です。
「「核のゴミ」を知り、議論するためのボードゲーム」(磯貝月香さん、平原成美さん、村上寛朗さん、若菜晏さん・東京都)
選評:核のゴミの地層処分について、様々な情報や視点をすごろくのマス目から学び、どちらの地域に核のゴミを埋めるかを議論するためのゲームです。マス目にQRコードがあり、それを読み取るという仕掛けがユニークでした。すごろくであるために、止まらないで進んでしまう目もあるかと思いますが、現実でも得られない情報や視点ということもあるかもしれず、振り返りのときに、止まらなかった目についての情報について議論が生まれるかもしれないことも狙っているのかな、とも思いました。作成者の皆さんが、同世代の中高生の人たちに考えてもらいたいという問題を共有するためにゲームというツールを使う工夫を色々とちりばめてくれた作品です。
「無敵のチータラ」(まるるさん・神奈川県)
選評:感覚とひらめきで共通点を見つけるという反射神経ゲームです。「チータラ」という児童・生徒に身近なお菓子を中心に据え、「共通点を探す」という科学的思考が促されている点が評価されました。
NPO法人Board Game Japanでは、今後もコンテストの開催などを通して、アマチュアのクリエイターによるユニークなボードゲームの社会的認知度を高めるお手伝いをしていく予定です。
【主催団体・お問い合わせ先について】
特定非営利活動法人(NPO法人)Board Game Japan
目的
・主に学習要素を含むボードゲームやカードゲームの開発
・ボードゲームの振興・研究を目的としたプラットフォーム組織の構築
・日本のボードゲーム人口を増やし、日本発のボードゲームを世界に広めていく
事業内容
・ボードゲーム等を開発し教材化・商品化する出版印刷事業
・ボードゲーム等を販売する物品販売事業
・ボードゲーム創作活動の方法等を教授する教育事業
・児童向けワークショップの開催等のアマチュア興行事業
・その他必要な事業
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