『崩壊:スターレイル』シリーズ番組「星穹講座」に作家の田中芳樹氏が出演

「絶対に自分で実際には見ることのできない世界をSFは見せてくれる」―田中芳樹氏が語るSFの魅力に迫ります

株式会社COGNOSPHEREのプレスリリース

グローバルエンターテインメントブランドHoYoverseによるスペースファンタジーRPG『崩壊:スターレイル』が主催するシリーズ番組「星穹講座」に、日本を代表する作家の田中芳樹氏がゲストとして出演しました。

「星穹講座」は、さまざまな分野の専門家を招待し、宇宙天文から人類社会、科学探求から哲学的思索まで、幅広いトピックについて深く議論し、知識や思考を共有するといった趣旨の番組です。本日配信した「星穹講座」では、「SFマガジン」編集長の溝口力丸が進行役を務め、SFの魅力、歴史と英雄などをはじめとする様々なテーマについて、田中芳樹氏と深く語り尽くしました。その一部を抜粋してご紹介します。

番組の冒頭では、田中芳樹氏が自身とSF小説の出会いについて語りました。「もう60年前になりますが、その頃は『SF』という言葉は一般的でなくて、大体『科学冒険小説』とか、そういう名前で出ており、そして大半が、今思えば、スペースオペラに類するものでした」、「とにかく、今自分が現実に生きている世界というのは、言ってしまえば面白くもなんともないと。そこへ新しい世界を見せてくれるものがあるんだな」と、SFと最初に出会った時の心境を述べました。

 

SFは今や小説のみならず、アニメや映画、そして『崩壊:スターレイル』のようなゲーム作品にも影響を与えています。長い歳月が経っても人々は依然としてSFに興味を持っていることに対し、田中芳樹氏は「人間というのは何万年前からずっと、精神的には多少複雑化したとはいえ、変わっていないと思うんです。これが延長していくと、何千年ぐらい経っても人間の性根というのは変わらないだろう」と自身の考えを語りました。

 

また、歴史的に大事なタイミングに現れるキーパーソンについて、田中芳樹氏は「歴史の流れの中でそのキーパーソンが浮かび上がるのか、あるいはキーパーソンがその歴史の一部を動かしていくのかというのは、これはもうニワトリと卵の関係です」と両者の複雑な関係性を語り、文学作品の中のキーパーソンがとくに英雄として語られることが多いヒロイズムに対して、田中芳樹氏は「関羽」や「岳飛」などの人物を例として、<悲劇的な最期>を迎えるという共通点を挙げたうえで、「その人物自身が自分の敗北を悟ったり、死に赴こうとしている態度が、やっぱり読者を惹きつける」と自身が作品におけるヒロイズムの理解を述べました。

 

最後に、人々はなぜSFについて興味を持つのかという問いかけに対して、「絶対に自分で実際には見ることのできない世界をSFは見せてくれる。過去を顧みれば、結果としては、曲がりくねっていても一本道をここまでやってきたわけですけれども、未来というのはその意味、いくつも道が分かれている、選ぶのはあなた自身だとか、そういうことができます。読者に多種多様な世界を見せることができるという意味では、SFというのは一番間口が広い、寛容なジャンル」だと、どんな時代においても色褪せないSFの醍醐味を語ってくれました。

 

「星穹講座」番組フルバージョンの視聴はこちら

 

 

田中芳樹氏について

1978年『緑の草原に…』により雑誌『幻影城』第3回幻影城新人賞小説部門受賞。1982年から『銀河英雄伝説』を執筆、大ヒットし一躍人気作家となる。『銀河英雄伝説』『アルスラーン戦記』『創竜伝』『タイタニア』などの作品は、漫画、アニメ、舞台などクロスメディアでも展開されているほか、中国の歴史や古典作品を題材とした小説も数多く執筆して人気を得ている。ジュール・ヴェルヌが愛読書。

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