AppsFlyerのプレスリリース
モバイル広告効果計測プラットフォームとマーケティングアナリティクスを提供するAppsFlyer Japan株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:オーレン・カニエル、カントリーマネジャー:大坪直哉、以下AppsFlyer)は本日、2020年の第1四半期から第3四半期までのモバイルゲーム業界の成長を調査したレポート「State of Gaming App Marketing 2020」を発表しました。
本レポートは、世界シェア72%を誇るAppsFlyerが保有する、92億にものぼるアプリインストールを分析し、世界各国の動向をまとめたものです。
https://www.appsflyer.com/jp-state-of-gaming-november-2020/
2020年は、モバイルアプリ、特にモバイルゲームにとって一つの変革の年となりました。新型コロナウイルスの感染拡大の影響も受け、既存ユーザーだけでなく新規ユーザーも含め多くの人が自宅にいながら楽しめるモバイルゲームを手にとっています。
これまでも、近年成長著しいアプリ経済の中でその原動力の中心となってきたモバイルゲームでしたが、今年は2019年と比較してインストール数が45%急増し、成長率も40%上回るなど、全く新しいステージに達しています。本レポートでは、2020年のモバイルゲームに関するインストールデータを基に、現在市場に起きている変化や、ニューノーマルなモバイル市場を理解するための分析を行っています。
1.新型コロナウイルスの影響も受け、モバイルゲームのインストール数が45%増加 |
新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛の影響も受けて、モバイルゲームに対するユーザーの需要が急増。2019年と比較してインストール数が45%増加し、成長率においても2018-2019年と比較して2019-2020年は40%増加しています。2019年とは異なり、2020年の成長のほとんどがオーガニックインストールの需要増によって牽引されており、前年比57%増となっています。一方で、マーケティングによる非オーガニックインストール(NOI)も前年比の成長率は70%に迫る大幅な伸びを示しており、堅調に推移しています。
NOI成長の背景として、一つは平均的なアプリはオーガニックで発見されることが非常に難しくなっていることが挙げられます。オーガニックインストールの需要の対象の多くはトップチャートのアプリであり、トップチャート上位に入らないアプリはインストール促進のためにマーケティングが必要となっています。もう一つの要因は、ゲームアプリはデータを活用することで収益性の高いマーケティング投資を行う術を持っているためです。
2.ゲームジャンルがソフトであるほどインストール数の伸び率が高い結果に |
また、世界におけるカテゴリー別の前年比インストール率成長率を見ると、ゲームジャンルが「ソフト(簡単)」であるほど、総インストール数の伸び率が高いことがわかります。ソフトなジャンルであるハイパーカジュアル、カジュアル、ミッドコアのゲームは、より本格的ななハードコアやソーシャルカジノゲームと比較して、少なくとも2倍の成長率を示しています。これは、自宅にいながらエンターテイメントや気晴らしを求めて、これまでゲームをやっていなかった新規プレイヤーが初めてモバイルゲームに挑戦するようになった影響でもあります。新規プレイヤーは、最も簡単なゲーム(ハイパーカジュアル)から始め、そのうちのごく少数がハードコアゲーマーになる傾向にあるためです。
2020年、ゲーミングアプリ、特にハイパーカジュアルは、こうした需要の高まりに対応するためユーザー獲得(UA)の努力を大幅に加速させました。
3.マーケティングによる新規ユーザー獲得は成長中の発展途上国市場が狙い目 |
マーケティングによるユーザー獲得の成長率では、ブラジル、インドネシア、インド、ベトナム、ロシアなど、主に大規模な発展途上国が最も高くなっています。アメリカや日本のような主要市場とは異なり、急成長している発展途上国の市場は、現在より多くの予算を集めており、間違いなくマーケットとして視野に入れる必要があります。こうした市場は、ユーザー一人あたりの平均収益が低いにもかかわらず、メディアのコストは主要国の半分以下のため、ROI(投資対効果)に関しては大きなメリットがあります。
その中でも、ハイパーカジュアルだけは他のカテゴリーとは異なる傾向を示しています。イギリス、フランス、アメリカが最も急速に成長しており、マーケティング担当者は欧米市場に力を注いでいます。
4.アプリ内課金(IAP)においては、外出自粛中に特に高収益を維持 |
新型コロナウイルスの感染拡大が世界的に本格化した3月は、ユーザーが一斉にゲームアプリをインストール。アプリ内課金(IAP)は5月・7月にピークを迎えています。カテゴリー別では、カジュアルがIAPの収益を牽引しており、3月から5月にかけて55%急増しただけでなく、直近の数ヶ月も高水準を維持しています。
ゲームアプリは、ロックダウンや外出自粛が明けた後でも印象的な収益を維持しており、これらのアプリは、自粛中にインストールした多くのユーザーにおいて継続的なエンゲージメントを獲得することに成功していることが伺えます。
5.“リマーケティング”において課金ユーザーから得られる平均収益が95%増加 |
ユーザーがリマーケティングキャンペーンに参加したゲームアプリと、参加していない同じゲームアプリを比較すると、リマーケティングを活用したゲームアプリは、課金ユーザー一人当たりの平均収益95%増加をはじめ、リテンション、課金ユーザーのシェアなどのパフォーマンスを大幅に向上させていることが示されています。
リマーケティングによるパフォーマンスの向上は明確であるにもかかわらず、ゲームアプリにおいてリマーケティングの採用率は比較的低く、特に「ソフト」ジャンルの間では普及していません。リマーケティングで大幅なパフォーマンス向上を享受しているハードコアゲームでさえ、その採用率はわずか11%にとどまっています。リマーケティングはUAよりも安価かつ確実に計測可能であるものの、ゲームアプリにおいて“リマーケティング”が見逃されている機会となっていることが見受けられます。
*ゲームアプリマーケティング市場レポート2020年版「State of Gaming App Marketing 2020」詳細はこちら:
https://www.appsflyer.com/jp/resources/gaming/state-of-gaming/
AppsFlyer コンテンツ&モバイルインサイト責任者 シャニ・ローゼンフェルダーのコメント |
「初めてゲームに挑戦する新規プレイヤーが大幅に増加したことは驚くことではありません。特にハイパーカジュアルのインストール数は90%急増し、マーケティング主導の非オーガニックインストール数は250%という驚異的な伸びを示しました。重要なのは、ゲームアプリがユーザー獲得の取り組みを加速させる機会に気付き、今のうちにこのトレンドをフルに活用していたことです。需要の高まりに対応するために反応的で機敏な動きをしたブランドが、ゲームアプリのエンゲージメントのピーク時を支配していました。」
AppsFlyer ゲーム部門責任者 ブライアン・マーフィーのコメント |
「今年の最初の数四半期はゲームアプリのインストール数が堅調に伸びましたが、まだまだ大きな成長が見込める分野があることは明らかです。インストール数の増加と、ゲーム以外のビッグブランドの復活により、メディアコストが急増し、マーケッターはより安価な戦略を導入する必要があることを示しています。モバイルゲームアプリで最も見過ごされている戦術はリマーケティングであり、ユーザーの再エンゲージメントが2020年の収益の重要なドライバーとなっています。」
AppsFlyerについて |
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