〜5,000人規模の実証と141名の比較実験をもとに、プレイヤーと共に成長するAI NPCの定着効果と協力プレイの設計指針を紹介します〜
クラスター株式会社のプレスリリース

クラスター株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役CEO:加藤直人、以下「クラスター」)は、2021年に日本におけるメタバースの創造、発展を目指して設立した社内研究機関「メタバース研究所」の研究員が、2026年7月22日(水)から24日(金)の3日間にわたって開催される「コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス2026(以下「CEDEC2026」)」において、LLM(大規模言語モデル)ベースのAI NPC(AIエージェント)による初心者定着と協力プレイ体験の実現に関する研究発表が公募セッションで採択されたことをお知らせします。昨年のCEDEC2025に続き、2年連続の採択となります。
当社からは、選考によって選ばれる公募セッションにおいて、クラスターメタバース研究所の柳川 光理、廣井 裕一の2名が60分間のレギュラーセッションにて講演いたします。
採択された公募セッションの詳細は以下の通りです。
セッション概要
セッションタイトル: 人と学び、また会いたくなるAI NPC ― 初心者定着率2倍、5,000人実証が示すメカニズムと協力プレイの設計戦略
セッション内容:
ゲームにおける初心者離脱の課題に対し、本セッションではLLMベースのAI NPCによる解決策を、大規模実証と技術開発の両面から解説します。
昨年CEDEC2025で紹介したAI NPCを商用メタバース「cluster」上で展開した5,000人規模・31日間の調査では、AI NPCと接触した新規プレイヤーの滞在時間が約2.2倍に向上し、AIへの累積接触日数が1日増えるごとに翌日ログイン率が+33.5%向上することが明らかになりました。この結果から、AI NPCが繰り返し接触する「顔なじみ」として機能することで、定着効果が最大化されることが実証されました。
この知見を踏まえ、プレイヤーと一緒に成長する協力プレイ体験を実現する「対話型知識獲得ループ(CKAL:Conversational Knowledge Acquisition Loop)」を開発しました。AI NPCがゲーム内のギミックを操作し、対話を通じて知識を獲得・応用する本技術により、AIが「全知全能」にならず、プレイヤーと共に悩み、成長する体験を実現します。さらに、141名による比較実験から、AI NPCの操作能力と能動性がゲーム体験に与える影響を定量的に明らかにし、達成感を損なわずに効果的に支援する設計指針を提示します。
本セッションは、ゲーム設計における大規模言語モデルベースのAIエージェントの活用に興味がある方、初心者の定着率・継続率改善に課題を感じているプロデューサー・ディレクター・デザイナー、AI NPCの実装技術やその行動がユーザー体験に与える影響の定量評価に興味のあるエンジニア・研究者におすすめです。セッション後に講演者と質疑応答をすることが可能です。
講演者:
柳川 光理 クラスター株式会社 メタバース研究所/筑波大学 シニアリサーチエンジニア
廣井 裕一 クラスター株式会社 メタバース研究所 シニアリサーチサイエンティスト
共同研究・開発者:
船引 貴史(株式会社テレビ朝日)
横井 勝(株式会社テレビ朝日 メタメタ大作戦CG開発)
香川 凌也(株式会社テレビ朝日 メタメタ大作戦CG開発)
山村 風子(株式会社テレビ朝日 メタメタ大作戦CG開発)
今井 裕貴(クラスター株式会社 事業開発本部)
松本 篤弥(クラスター株式会社 メタバース研究所/東京大学)
畑田 裕二(クラスター株式会社 メタバース研究所/東京大学)
平木 剛史(クラスター株式会社 メタバース研究所/筑波大学)
鳴海 拓志(東京大学大学院 情報理工学系研究科)
セッション日時: 7月24日(金)15:00 〜 16:00
セッション形式: レギュラーセッション(60分)
会場: 第7会場(パシフィコ横浜ノース G404)
セッションWebページ: https://cedec.cesa.or.jp/2026/timetable/detail/s6985d8c1edf51/
得られる知見
① AI NPCが初心者の定着率を向上させるメカニズム
5,000人・31日間の大規模調査より、単発の接触ではなく「累積的な関係構築」が定着のカギであることを解説します。
② プレイヤーと共に成長するAI NPCの技術基盤(CKAL)
LLMベースの知識獲得アルゴリズム「CKAL(Conversational Knowledge Acquisition Loop)」を紹介。多様なゲームシステム上でAIが動的に知識を獲得・応用する仕組みを解説します。
③ 協力プレイのUX設計指針
141名のVR実験から、AI NPCの操作能力と能動性がエンゲージメント・印象・自律感に与える効果を定量的に明らかにし、達成感を損なわない支援設計の指針を提示します。
■ 参考文献
Y. Hiroi, Y. Imai, H. Yanagawa and T. Hiraki, “Large-Scale, Longitudinal Field Study of AI-Agent-User Interactions in Commercial Metaverse,” in 2026 IEEE International Conference on Artificial Intelligence and eXtended and Virtual Reality (AIxVR), Osaka, Japan, 2026, pp. 108-118.
https://doi.org/10.1109/AIxVR67263.2026.00021
A. Matsumoto, H. Yanagawa, Y. Hiroi, Y. Hatada, T. Narumi and T. Hiraki, “Dynamic Gimmick Learning for Navigation Agents in Social VR Through User-Agent Dialogue,” 2025 IEEE International Symposium on Mixed and Augmented Reality Adjunct (ISMAR-Adjunct), Daejeon, Korea, 2025, pp. 605-607
https://doi.org/10.1109/ISMAR-Adjunct68609.2025.00120
CEDEC2026 開催概要
名 称:コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス2026(CEDEC2026)
会 期:2026年7月22日(水)〜 7月24日(金)
参加方法:現地受講またはオンライン(要チケット購入)
会 場:ハイブリッド開催/リアル会場:パシフィコ横浜ノース(神奈川県横浜市西区みなとみらい)、オンライン会場:公式WEBサイト
主 催:一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)
公式サイト:https://cedec.cesa.or.jp/2026/
※CEDEC2026のセッション受講は有料です。詳細は公式サイトをご参照ください。

■ クラスターメタバース研究所について
クラスターメタバース研究所は、「人類の創造力を加速する」というクラスター全体の目標を先導します。科学的な知見やプラットフォームに蓄積されるデータをもとに、CV/CG/HCI/VR/BMIおよび、全体をまたぐML領域の研究に取り組み、プラットフォームであるクラスターに短期的・長期的を問わず還元していく成果と、人類全体を前に進めるアカデミックな成果も生み出し、融合していくことを目指しています。

■ クラスター株式会社について
クラスター株式会社は、「あらゆるヒト、モノ、技術をつなげる共創空間のOSをつくる」をビジョンに掲げ、日本最大級のメタバースプラットフォームを開発・運営するテクノロジーカンパニーです。独自開発した大規模同時接続基盤を核に、リアルとバーチャルを融合する共創空間インフラを提供しています。製造・建設・教育・国際会議・エンターテインメントなど多様な業界で採用され、スマートフォン/PC/VRなどマルチデバイスに対応。最大10万人が同時接続できるリアルタイム空間を構築し、多数のIPコンテンツや大型イベントで実績を重ねています。高い信頼性と拡張性を兼ね備え、商業利用とスケールの両立を実現するBtoB型プラットフォームとして成長を続けています。
また、研究所を社内に設置し、ユーザー行動解析、バーチャルAIエージェント、AIによる3D制作自動化などのR&Dを推進。外部研究機関・大学との共同研究や実証実験も積極的に展開し、メタバース技術の進化を加速させています。
テクノロジーと創造力を融合し、バーチャル体験の未来を切り拓く―クラスターは次世代の社会インフラをつくり続けます。
▼クラスター株式会社の法人向けビジネスの最前線を知ることができるオウンドメディア
https://metaversebiznews.cluster.mu/
